シングリッシュ101:シンガポールのユニークな英語文化を知ろう

シンガポールで暮らす・働く人のための、言葉から文化を感じる入門ガイド
シンガポールに来ると、必ず耳にするのが シングリッシュ。これは単なる英語のなまりではなく、シンガポール人のユーモア、価値観、そして日常を映し出すローカル文化のひとつです。
「English with a Singaporean twist」とも言われるこの話し方は、英語をベースに中国語・マレー語・タミル語などが自然に混ざり合った、多民族国家ならではのスタイル。
海外から来た人にとって、シングリッシュを理解することは、現地の人との距離を縮める大きな鍵になります。ホーカーセンターでの注文、同僚との雑談、新しい友達との会話など、様々な場面で役立ちますよ。
1. シングリッシュの起源:文化の交差点から生まれた言葉
シンガポールはかつてのイギリス植民地。英語が公用語として使われてきましたが、現地の多文化社会の中で、それぞれの民族が自分たちの言葉を英語に混ぜて使ううちに、独自の話し方=シングリッシュが誕生しました。
シングリッシュが広まった背景:
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多言語社会での橋渡し:異なる言語を話す人々の間で、シンプルな英語が必要だった
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植民地時代の影響:英語教育はあったものの、現地の人々が使いやすい形に変化
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効率重視:テンポが早く、要点だけを伝えるスタイルが忙しい日常にマッチ
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アイデンティティの表現:「文法的に正しくない」と言われても、多くのシンガポール人にとっては自分たちの文化の一部
2. よく使われるシングリッシュの表現集
シングリッシュでは、言葉そのものよりも「言い方」や「空気感」が大切。以下は、覚えておくと便利な代表的な表現です。
パーティクル(語尾につける言葉)
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lah:強調や親しみを込める
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例:Relax lah, no need to worry.
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lor:軽くあきらめた感じ、納得
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例:Can finish by today lor, no problem.
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leh:疑問や驚き
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例:This food nice leh, where you buy?
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meh:疑い、信じられないとき
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例:You really think can do meh?
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感情や状態を表す言葉
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shiok:最高に気持ちいい・おいしい
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例:This ice cream is super shiok!
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sian:退屈・だるい
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例:So sian today, nothing to do.
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jialat:まずい状況、やばい
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例:Forgot my wallet! This one jialat already.
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paiseh:恥ずかしい、遠慮する気持ち
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例:Paiseh ah, I took the last piece of cake.
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kiasu:負けたくない精神、出遅れたくない気持ち
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例:Why must you go early to chope seats, don’t be so kiasu.
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3. シーン別シングリッシュの使い方
職場で
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kena arrow:やりたくない仕事を押し付けられる
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I kena arrow to do overtime again.
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chiong:猛烈にがんばる/突っ走る
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We need to chiong this project before the deadline!
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eat snake:サボる
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Don’t eat snake lah, help us finish this report.
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ホーカーセンターで
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chope:ティッシュなどで席を確保すること
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Wait here, I’ll chope the table first.
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kopi-o:ブラックコーヒー(砂糖入り)
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Uncle, one kopi-o kosong, please.
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tapau:テイクアウトすること
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Can tapau this chicken rice for me?
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公共交通機関で
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liddat:like that の省略形(そういう風に)
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You always do things liddat, very difficult lah.
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alamak:驚きやショックのときの感嘆詞
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Alamak, I missed my bus!
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4. ローカルっぽく聞こえるコツ
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リズムを聞く:シングリッシュには独特のテンポがあります。まずは耳で覚えるのが一番。
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パーティクルは少しずつ:最初は lah や lor だけでOK。無理に使いすぎないことが大切です。
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簡潔に話す:余計な言葉は省くのが基本
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例:「I have already eaten」→「I eat already」
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他の言語も混ぜてみる
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例:This one confirm kena scolding from boss!
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場面に応じて調整する:友達とはカジュアルに、職場では控えめに
5. シングリッシュを学ぶメリット
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現地の人と仲良くなれる
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日常生活がスムーズになる(特にホーカーや買い物の場面)
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ユーモアや距離感がつかめる
6. 試してみたいおもしろ表現
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Don’t anyhow:適当にするな、ちゃんとやれ
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Don’t anyhow park, later kena summon.
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Steady pom pi pi:すごく落ち着いてる・頼もしい
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He handled the situation all by himself, steady pom pi pi.
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Talk cock:雑談・冗談を言う
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After work, let’s sit down and talk cock.
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7. シングリッシュを学ぶ上での注意点
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ニュアンスが命:同じ単語でもトーンで意味が変わる
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使いすぎに注意:無理に多用すると不自然に聞こえることも
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TPOをわきまえる:職場では基本英語、仲間内ではシングリッシュもOK
シンガポールでの生活に、シングリッシュを少しプラスしてみよう
シングリッシュは、単なる「崩れた英語」ではなく、シンガポールの文化・価値観を映す大切な一部。少しずつでも理解できれば、きっと現地での生活がより豊かで、楽しくなるはずです。
ベルリッツ・シンガポールでは、英語だけでなく現地文化を学べるトレーニングもご用意しています。
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